「さあ吐きなさい!!」
「太陰…そんなに詰め寄っては答えられないと思うが」
ああやっぱり、こうなるとは思ったんだよなあ。
閑話 僕らの知らない君
この間オレ元の姿晒したんだよなあ…。
んで、現在太陰にこうやって真実を言えと詰め寄られてるわけだけど…。
太陰と玄武、そしてあの場にいた朱雀や天一それから天后。
隠形してはいるけど青龍もいる。
こんなに囲まれて話せって言うのも脅しに近くないか?
騰蛇は恐らくあの時の混乱状態で忘れてるんだろうな。
本当ならアイツが一番気になってるだろうし。
「お前人間だろ?何故姿形を変えられるんだ?」
「晴明様みたいな術なのですか?」
あー、えー…どう言おう。
作ったばっかの嘘じゃ無理だよなあ。
でもホントのこと言うわけにいかないし…。
仕方無い。
「呪い、だよ。オレ本当はあの姿が本物なんだ。呪いの所為でガキにされてんの」
「「「……」」」
なんで本当のこと言った方が嘘臭いって顔されにゃいかんのよ。
別に良いけどさあ。
「っていうのだったらしんじられないよね。ほんとはうちのいちぞくにつたわるひじゅつなんだ」
「なーんだ、それなら先に言いなさいよ。一体誰かと思っちゃったわ」
「まあ晴明も離魂の術使うと若くなるしな。それなら納得だ」
……なんか虚しい。
でも騰蛇が聞いてきたら本当の事を話さなきゃな。
あいつは昌浩を一番大事にしているから。
知っていて欲しい。
…昌浩には言えない。
優しいあいつのことだから気にしてしまう。
晴明様にも…言えないな。
言えば聡明なあの人のこと、うちの一族のことが露見してしまう。
これを抱えるのはオレだけで十分だ。