!!俺と…
あの海の果てを一緒に見に行かないか!!





30点。なにそのありがちなの」












一体この二人の会話はなんなんでしょうか?











届け、青春















「んな…!!たった30点かよ…。くそ!次こそ落してやるからな!!」

「へいへい」











西海の鬼と呼ばれる男、長曾我部元親。


彼は只今


毛利に仕える将、に猛烈アタック中だった。


















「また来たのか…あの馬鹿は」

「元就様。ええ…よくもまあ懲りもせずね」

「そなたも毎度よく相手してやるものよ」

「何度断っても聞かないので、仕方なく相手してるんですよ」







ここ毎日元親はに愛の告白をしに来る。

いくら四国と中国が近いとは言え、毎日船で海を渡ってくるのは尋常じゃない。









これの理由は数週間前にさかのぼる。


























『なあいい加減俺のとこに来いよ』

『…オレは毛利軍だっつってんだろ。勧誘なら他当たれ』








元親は同盟を組んだ毛利軍にいるを見た時、正直一目惚れだったらしい。


戦場でのはそれはもう華麗に舞うかのように戦う。

そしてついた通り名が“戦華の白拍子”だ。






最初は女と間違え、つい軟派してしまったら切れたにあやうく殺されかけた。



しかしそれでも元親はめげることなくを手に入れようと奮闘した。













『少しは悩んでくれたって良いだろ?どうしたらお前は振り向いてくれるんだよ?!』









何度誘っても頑なな


それでも諦めない元親には溜息を吐きながら言った。









『…じゃあオレがぐっとくる口説き文句言えたら考えてやるよ』

『!!ほんとだな!?約束だぞ!!』






















そして冒頭に至る。












「昨日は
“世界に一つだけの宝を捜しに行こうぜ!”だったな」
「ええ。一昨日は
“俺のお前への愛はこの海よりも深く、あの空よりもデカイんだぜ”でした」










・・・・・・・・・・・・











「……聞いててサムイでしょ、元就様」
「ああ…。我なら一回目であ奴を喋れぬ体にしてやるぞ…」


鳥肌が出来てしまったらしい元就は腕をさすっている。


















「まったく…全然わかってねえんだから」




























それでも毎日元親は考えてきた口説き文句でに告白をした。




だが結果はいつもと同じ、簡単に軽くあしらわれるだけだった。

















「だーっ!!!!どうしたら良いんだよ!お前結局考える気無いだろ!?」

「仕方ねえだろ?全然ぐっと来ないんだから。なんだよ今日の」











“溺れちまったぜ…何にって…お前にさ”













「オレ
一瞬で全身に鳥肌たったの今日が人生で初なんですけど」

「なんでだよ!?一晩考えたんだぞ?!」

「はあ…やっぱアンタわかってない」

「は?なんだよそりゃ…」









は踵を返し、鍛練場へ行った。














後に残された元親はごろりと横になり不貞寝を始める。
















…きろ……起きろ、この阿呆が」
ぎゃあ!!…何すんだこのオクラ!」



寝ているところを元就の踵落としで起こされた元親は元就に言ってはいけないことを言ってしまった。




…日輪よ…

「わーーーー!!!待った待った!俺が悪かったから
BASARA技はやめろ!!!




第八武器を構え、日輪を召喚しようとした元就をなんとか諌める。










「人の城で良い身分だな、お前は」

「仕方ねえだろ、毎日来るの大変なんだぞ」

「じゃあ来るな」

「つめてえな!あーあ、この上司にして、あの部下ありか」










元親が溜息交じりで言うので元就は
その頭に輪刀を振り下ろした、思いきり。




「どぅわぁあ!!!」

「…っち、外したか」

「殺す気かぁ!!」



寸でのところでかわしたが、正直
髪の毛が何本か切れている。






「愚かなのはお前だ。あんな
身の毛がよだつ…もとい、歯の浮く」
「おい」





本音が出てしまった元就様。











「あんな何が言いたいかもわからぬ言葉での心が奪えると思うておるのか?だとしたらおめでたい言葉よ」


「…!!!」



















元親は立ち上がり、走り出した。


勿論向かうは愛しき人の元。











「まったく…世話のやける二人よ」
















実は元就は知っていた。







がはっきり断らないのも

毎日来る元親をちゃんと相手してやってるのも









自身が、元親のことを好いているからこそなのだと。


























!!」



鍛練場で稽古に勤しむを掴まえ、真面目な顔をする元親。

正直は今までに無かったことに戸惑っている。








「何さ…またしょうもない台詞で
「好きだ!!!!」!?」












「俺はアンタに惚れてる。だから、俺と一緒に来てくれ」










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






「な、なななな……」

「これが俺の正直な気持ちだ」











口をパクパクと金魚のように開ける事しか出来なくなった

段々と顔も赤に染まってゆく。








「で、どうだ?採点は」





にやりと悪戯が成功したように笑う元親を見てとても腹が立った







「…っ!!!」




「ぐあ!!!」






鳩尾に一発喰らわせた。













「…な、何しやがる…」





倒れこむ元親から離れて、は一言だけ















…100点だっつぅの!!バーカ!」











と言って走っていってしまった。




その言葉を聞いた瞬間、元親は復活した。

















「よっしゃあぁぁ!約束だからな!俺のとこに来てもらうぜ!」

「何言ってんだ!?考えてやるって言っただけだろうが」

「そんな赤い顔して何言ってんだよ。いい加減素直になりやがれ!」

「うるせー!!こっちくんじゃねええぇぇぇ!!」














彼らの青春はまだまだ続く……。











ヒカリ様のみお持ち帰りOK