ああ〜〜〜結構疲れそうやんなあ…






これをまたひたすら登るとなると…








目の前に聳え立つ山にオレは溜息を吐く。
















数分ほど歩き、疲れたので傍にあった大岩に腰掛ける。
















もうこの非現実のような世界はどうでもいいことにした。

というか深く考えてもしゃあない。












問題は空腹をどうすればええかって話や!!(切実)








山やっちゅうのに…木の実の一つや二つ生えとらんとは…全く気ぃ利かんなあ!!





















ガサ






ん?












ガサガサ








およ?







なんや?












「なんかおるんか?」







「…こ、こんにちわ…」















おお驚いた。なんや人間か。









ん?なんで着物被っとんや?

顔がよお見えへんやないか。









「邪魔してごめんなさい…!」


「ああ、待ちぃ。別に邪魔じゃああらへんよ…ん!!」


「ひっ!?」












我を忘れてそいつの腕をがっしり掴んでしまった。











「あ、あの…僕…違うんです!」




「違わん!!」




「…違うんです!」















「いいや!!オレの鼻は間違えん!!お前何か食いモンもっとるやろ?!」















「…え?」













「え?やない。持っとるやろ?」

「あ、はい…!お昼に作ったお菓子が…」

「良かったらそれ、くれへん?オレなんも口にしてないんよ〜〜〜」

「あ、どうぞ」














おお!ええ奴。


しかも結構この菓子も美味いわあ。







ん?なんやきょとんとした顔して。













「あ、あの…僕を見ても何も思わないんですか?」

「んあ?ああ、おおきにな」




「い、いえ…そうじゃなくて…。見た目とか…」











見た目?




金パに青い瞳がってことか?




まあそないな奴外国行けば腐るほどおるしなあ。











「何が?何か珍しいんか?」


「い、いえ!何でもありません」










オレの答えにそいつは顔を綻ばせ、オレの手に先程くれた菓子と同じ包みを持たせる。











「これも食べてください!あの、僕流山詩紋って言います」


「おおきになー♪詩紋やね。オレは






「…?貴族なんですか?」





貴族??




オレが???






「んなわけあらへんやん。庶民も庶民やで」

「でも名字が…」

「名字なんて誰にでもあるやん。詩紋やてあるんやさかい」




「!!」






ガシッ!!!





「およ?」







さん!!!」

でええよ?」


さん!!」

「なに?」














「僕と一緒に来てください!!!」







「ほえ?」

















運命の女神は何処かで微笑んでいる