目が覚めたら山の中にいた。
俺は夢遊病でもなんでもないはずや。
せやのになんでこないなとこにおるん??
気づけばいつの間にか真っ黒な着物を着ていた。
動きにくいわけやないけど着替えた覚えは当然あらへん。
オレやばい人になっとる??
「ここは…どこや…?見たこと全然あらへん……何処か町は…」
見晴らしのええ場所に出て、ふもとを見下ろす。
そしてオレは目を疑った。
「…??!なんで…?此処一体何処や?」
見えた景色は学校の展示模型で見たことのあるものだった。
「平安…の街並み…???いやいや目覚まさんかいドアホ。今は何年や?西暦2007年や…で…?」
口に出せば出すほど自分が馬鹿になったように思えてしまう。
どう考えても、此処では自分の方が異分子やないか。
「アカン…眩暈してきたわ…。ひとまず山降りよ…」
取り合えずは見えた街に向かう事にした。
「ますます…ありえへんな…」
降りてしまえばそこは益々平安時代だった。(いやこの日本語おかしない?)
「そうやこれは夢なんや!きっと現実のオレはまだ布団で寝とるはず……って言いよる時点で覚醒しとるがな」
ああ…一人でツッコミとボケを両方するのはきついわ…。
どっかに相方おらへんやろか…(現実逃避)
「んもう!どうして頼久さんと喧嘩ばっかりするの?!」
「アイツが堅物すぎんのがいけねーんだよ!」
およ?痴話喧嘩か?
こんな往来でようやるなあ…。
「もう〜〜〜天地の八葉で協力しなきゃ藤姫の言ってた人見つからないんだよ?」
「そんなこと言ったってよ…」
あ〜〜〜腹減った〜〜〜…そういやあ起きてからなんも食うてないなあ…。
でもオレ金持ってへんしなあ…。
もう一度山にでも戻ってみるか、なんか木の実くらいあるかもしれん。
オレはもう一度山を登ることにした。
「!!!」
「どうしたの?天真くん」
「今…何か…」
左腕の宝珠が反応したような………。
あかねは此処にいるし…何だって言うんだ??
歯車は微妙にずれている