「ふわ…ああぁ。あー昨日は呑みすぎたなこりゃ…。顔でも洗って目覚ますか…」


のっそりと起きた元親は顔を洗うべく井戸を目指した。
その途中、先に起きていたが縁側に座っていたので声をかける。



「おう、起きてたのかよ」


するとは振り返り、







「おはよう、
ひーめっ♪





















「ええええええぇぇえ????!?っ!!!?」




朝から大声が響き渡る。
昨夜の酒が抜けきっていない面々はその声が頭に頭痛を呼び、顔を顰める。
一言声の主に文句を言ってやらないと気が済まないと、皆が駆けつけてみれば





頭をおさえ、真っ赤な顔で倒れている元親が其処にいた。







「Ahー…こりゃ何事だ…?」

「おーい、長曾我部どした?」



政宗と慶次は寝巻きのまますっ飛んできたが、訳のわからない状況に首を傾げていた。
元親の向こうには腹を抱えて笑うがいた。

やがて先に起きていた面々もゾロゾロと集まりだす。
それは元就とて、例外ではない。




「何事だ、騒々しい。朝くらい日輪を拝み静かに出来ぬものか」

怒りを露に現れた元就。
折角の朝を騒がしくされ不機嫌になっているようだ。


それを見たはにやりと笑いながら




「おはよう、




と言った。




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なっ!!!!!!



たっぷりの間を置いてから、元就は顔を赤くした。
これまた不思議そうな顔をする政宗と慶次。それから駆けつけた幸村。


事情を知っている佐助だけは「意地が悪いんだから」と苦笑いを零している。






「そ、そそそそそなた…ま、まさか…」


っ!!おま、お前今……」



慌てふためく元就に、復活した元親も加わり二人でに詰め寄る。
だがは表情を変えることなく、




「ただいま、松に姫」

「「……っ……!!!!」」





幼い頃にが彼等に使っていた呼び名で呼んだのだ。






歓喜の余り抱き付く元親、だがそれを政宗が見て殴り飛ばす。
元就は赤い顔を隠そうとするが高くなった体温は中々下がらず、そっぽを向いてしまった。





「思い出した、でござるか」
「ああ、光と一緒の時期にな。ようやく、呼べた」


のほほんと幸村と笑い合う




「ねえ、鬼の旦那はなんで頭おさえて倒れてたの?」


こっそり佐助が耳打ちで聞いてきた。
それには含み笑いをしながら答える。




「オレが呼んだら、さっきの元就と一緒でしばらく固まってたんだよ。んで覚醒したと思ったら急に後ずさりして足引っ掛けてこけたんだ」


真後ろに転んだ元親はそのまま床に頭を打ちつけたらしい。
まさかそんなにも過剰反応すると思わなかったとはまだ笑いが止まらない。






笑いながら思っていた。



良かった




もう一度笑顔で名を呼ぶことが出来て




と。