「…てめえら人をなんだと思ってんだ?…あぁ?…」
『『『『『怖ッ!!!!』』』』』
先程、五人が居た客間。
そこには、修羅がいた(笑)
「や…やばいんじゃないの?師匠が口調変わっちゃった時はマジ切れだよ?」
「そ、そうなのでござるか?!どどどどうしたら良いのだ?!」
「…!!(あまりの衝撃に言葉出ず)」
「伊達が固まってんぞ…!」
「あやつには刺激が強すぎなのであろう」
「何ゴチャゴチャ言ってんだ?まあまずはアレだ。てめえら一発ずつ殴らせろや」
『『『『『ひいぃぃぃ!!!』』』』』
えーと、事の発端はつい数分前。
を閉じ込めていたことを思い出した元親と元就は慌てて牢へ。
そこには牢の外で静かに怒っているの姿が。
実は戦が全く始まらないのでは牢を抜け出し様子を見に行った。
勿論見張りは全て眠らせて。
するとどうだ?客間でほのぼのとしている武将達の姿が見えるでないか。
自分を牢に入れときながら戦もせず、のんびり茶を飲んでいる。
これには温厚なも切れた。
と、いうわけで現在に至る。
「手出すなって言うのは、茶飲むのを邪魔するなってことだったのかなあ?長曾我部?」
「い、いえ…違います…」
「さっさと片付けるっていうから待ってたんだけどなあ?毛利?」
「……す、すまぬ」
「あ、あの…兄上…もうそこまでに「それからそこの三人よぉ」!!!」
急に自分達に矛先が向いてしまった。
こんなに怒っているを見たことが無い幸村はもう泣きそうだし
政宗に至ってはもう何が何だかわからないという状態である意味泣きそうだし
佐助は昔のことを思い出してかまたこれ別の意味で泣きそうだ。
「??なんでお前らそんなに泣きそうなんだよ???」
アンタが怖いからだよ!!
「お前らなんか勘違いしてるみたいだから言っとくけど
オレはお前らに守ってもらうほど柔じゃねえ。だから余計なこと考えず自分達の家を守る事を優先しろ」
これには全員が目を見開いた。
「待てよ!相手は織田と豊臣だぞ?!いくら兄上でも―――」
「大体オレを狙う理由が無いだろうが。どっちかつうと狙われてんのはお前らの方だ」
一介のしがない忍と、各国の武将じゃあ全然違う。
天下統一が目的なのだから当然狙われるのは武将達の方だ。
「例え万が一オレを狙ってたとしても、だ。自分のことは自分でどうにかする」
はそれだけ言うと部屋を出て行った。
*
「…ッかは!!!」
ポタポタとしたたり落ちる鮮血。
危なかったな、もう少しであいつらの前で吐くとこだった。
実を言うとこれは始めての吐血じゃない。
もう、こちらの世界に来てからは何度か吐いている。
記憶の欠片が戻る度、オレは前の自分に戻る。
だけどその代わり、何故か体がおかしくなっていく。
最初は少し頭痛がするとか咳こむくらいだった。
風邪かなと思ってあまり気にしなかったし、そんなに回数も多くなかったから大丈夫だと思ってた。
「…どうやら、オレにはまだ何か秘密があるんだろうな…」
大丈夫、まだそんなに酷くない。
さっきみたいに興奮しすぎたら一、二回吐くくらい。
「こんな姿…見せられっかよ…」
頼むから
お前らは自分達を大事にしてくれ
*
「兄上…」
「……」
旦那達…凹んでるな。
仕方ないか、多分師匠に突き放されたこと無いだろうし。
俺様は…昔何度か見てるしね。
でも、あんな感情を感じさせない表情をする時の師匠って…大体何か隠してる。
「流石に長年一緒にいたから分かっちゃうんだよね…」
「何か言ったか?猿飛」
「いーや、なんでも」
ねえ、師匠。
アンタから言ってくれるまで聞かないよ?
アンタが隠してる事なら、あまり良いことじゃなさそうだし。
「確かな情報はまだ無いのだ。そんなに焦る事はなかろう。いざとなったら我らが動けばよい」
「…そうだな。俺としたことが、先走っちまったぜ…」
「ただ…一つだけ気になることがなあ…」
「なんでござるか?長曾我部殿」
「アンタも心配性だね〜…。で、どしたの?」
「明智の動きだけが最近全く掴めねえ」
「「「「!!!」」」」
どうか
俺達の心配が
杞憂に終わりますように