「悪いけど手出し無用だ」


「おい!!どういうことだ!二人共!」







何故かオレは、長曾我部に担がれ牢に入れられた。















「お前が居たらあいつらが本気出せねえだろ?ここは一回男と男の勝負をしなきゃ話つかねえんだよ」

「何言ってんだ!オレは兄貴としてあいつらに説教するだけだぞ!?」

「これは天下争いだ。理由がどうであれ、戦いを挑んできた時点で我らは戦わねばならん」







うう…悔しいが正論なんだよな…。








「終われば、出してやるよ。とは言え…お前を甘く見てるわけじゃねえぞ。牢の周りは忍に見張らせる」
「いかにといえど抜け出せぬよう、天井裏から床下までびっしりと忍を待機させておる」








ぐおおおお…なんて用意周到な…。










「じゃあ少し待ってろよ」
「さっさと片付けてこよう」













出て行ってしまった二人を恨めしい目で見送って、オレは溜息を吐いた。












「くそー…油断したわー…」












格子から手を外し、ごろりと横になる。

薄暗い牢の中では音も無く、ただそこには静寂が広がるばかり。










オレは目を閉じた。































「Hello.鬼に妖精さんよ」







「おい、それは誰の事を指しておる?貴様よっぽど斬り捨てられたいらしいな」
「元就…それじゃあ認めてるようなも
グハッ!!





『今毛利殿が思いきり長曾我部殿の横腹を肘で…』












政宗は不適な笑みを浮かべ、刀を抜いた。

幸村も二槍を構え、立ちはだかる。











それを見た元就と元親も互いの武器を構え、迎え撃とうとしたが……。
























「Ha,まったくこんなめんどくさいことさせやがって」

「すまぬな、長曾我部殿に毛利殿」










次の瞬間二人が武器を下ろした。













「「は…???」」



訳がわからないのは長曾我部・毛利軍。











武器も持たず、近寄ってくる政宗に二人は一応警戒はしたものの









「これは芝居だ」










一言で脱力させられてしまった。


「「芝居…だと…????」」





















結局戦は行われず、只今毛利の城の客室には伊達・真田・長曾我部・毛利が揃って茶を飲む姿が。






「取り敢えず説明しろ」

和やかな雰囲気に流される前に元就は政宗と幸村を問い詰めた。









「悪いな…。まあ本題から言えば…織田や豊臣がキナ臭え動きをしてやがる」








動きというか…何も動きが無いのが怪しい。

少し前まではそこらで戦続きだったというのに。









「武田の忍が持ってきた情報によると……ある時期から、織田・豊臣が静かになったらしい」




「ある時期とは…?」









元就の質問に答えたのは幸村だった。








「兄上…殿が現れた時でござる」

「「!!!」」












がこちらの世界に戻ってきた事で、幸村たちはのことを思い出した。

それは幸村たち以外にも言えること。







恐らく、織田・豊臣もの事を思いだした奴がいるのだ。









「戦いを離脱する気で大人しくしてるってわけじゃあなさそうだ。何か…企んでやがる。今はその準備期間だ」
「じゃあなんで俺達に喧嘩売ってきたんだよ?」
「あいつらの目を欺く為だ。伊達・武田は長曾我部・毛利と戦をしているという、な」
「だが、某たちは戦う為に来たわけじゃないでござる」











?マークを浮かべる元親に大方予想がついた元就。











「同盟…組まねえか?」














「!?」
「やはりな…。それで芝居か。同盟を組む前に奇襲をかけられぬ為に」
「Of course.俺らが敵同士だと思われてりゃあ少しは都合が良いからな」




流石に伊達・武田・長曾我部・毛利が同盟を組むとなれば邪魔してくるだろう。
織田や豊臣は四面楚歌という状況になってしまうのだから。






「織田と豊臣が同盟を組む事はまず無えと考えて良いだろう。だが…あいつらはかなり厄介だ」









政宗の真剣な左眼が元就と元親を見る。







「多勢に無勢は…卑怯かもしれぬが、兄上を危険な目に合わすわけにはいかぬ。お頼み申す!」







深く頭を下げる幸村。















「…それを、我らが断ったら?」



「強要するわけじゃねえ。その時は敵になるだけだ」




睨み合う元就と政宗。

















すると今まで黙っていた元親が口を開いた。












「いいぜ、その話乗ってやるよ。勿論元就もな」
「なっ!!!貴様何を勝手に!」


反論しようとした元就を黙らせ、真剣な目で話す元親。






「俺らが戦ってる最中に織田や豊臣に邪魔されるのも癪じゃねえか。ここは共闘、最後に俺らで決着つけりゃあいいだろ」
「いいねえ、アンタCoolだ。そうだ、これは一時的なモンだ。織田や豊臣を討つまでのな」





「…まったく、これだから浅知恵の者共は困る」
「だからこそ毛利殿の知略が必要なのでござる!!」






幸村、上手いΣd(゜∀゜)

いえいえそれほどでもないでござる♪(*´∀`*)









「フン…。しょうのないやつ等だ。光栄に思え、我が協力してやるのだからな」





素直じゃねえな、このオクラ(-_-)−з

まあ扱い易いからいいじゃねえか<`∀´>









「…何か申したか…?」



「「「何でも(ねえよ/ござる!)」」」





『『『地獄耳だ………』』』
















話がまとまり、打ち解けてきた四名の所に橙色の影が現れる。








「おお佐助!戻ったか」
「まあね…そちらさんは話はついた?」

「うむ、お二人共了承してくれたぞ。そっちの首尾はどうだ?兄上の動向は掴めたか?」
「うーん…ここら辺には来てるみたいなんだけどねえ」












「「あ!」」






すっかり、忘れてた。






「「「?」」」