まいった









どうやらオレは












幸運の塊らしい。





















「…信じがたいが…これは確かな功績だな…」




クラースさん、表情が微妙だよ。

無理矢理平静を装ってるみたいだけど、口元がにやけてる。




















30件













これは
















がここ三日でこなしたクエストの数。
























「なんか行く先々でなんかに巻き込まれたり、たまたま次やろうとしたクエストこなしたりしちゃうんだよね」

「それでもクリアしちゃうさんは凄いですの〜」






が一つクエストを受ける⇒そこで別のクエストが発生⇒知らずに二つともクリア








後は回収のクエストが多いな。
どうもクエストの度拾い物してたら、丁度それを持ってきてくれってクエストがあったりするから。















「これで、キミは晴れてアドリビトムの正式な隊員だ。これからはパーティーを組んで出かけることが出来るぞ」




「ホント!?じゃあロイドやノーマやロニとかも?」
「ああ」







「マリーさんやクラースさんも?」
「勿論だとも」








「へへ…」




さん!よかったですの!!」
「おう!」














やべえ、本当に嬉しい。






今まで一人で黙々とクエストこなすだけだったから、誰かと一緒に行けるなんて。
















「…っ…」










一方クラースは硬直していた。






の喜び溢れる笑顔を間近で見てしまったから。




『なんて顔で笑うんだこの子は…。そんなに喜ぶとは…』









ギリギリ二十代の彼はまだ若い(笑)






















「ロイド!ノーマ!ロニ!」




!」

ぴょん!どうだった?」

「合格か?!」





三人に向かってはVサインを見せた。






「いやった―――!!これでぴょんと一緒にお宝探し出来るね!」

「なあなあ!最初は絶対俺とだからな!」

「ロイド、てめえ!年上に譲るってことを知らねえのか?!」





まるで自分のことのように喜んでくれる三人を見て心から嬉しくなる







「今日はマリーさんのとこで飯食わしてもらえるよう言っておいたからな。の正式合格祝いだ!」
「「「オオーーー!!」」」







さすがロニ。
やることが早い。





今日受かってなかったらどうする気だったんだろう??(笑)


















「えーそれでは…の合格を祝って…」




「「「「かんぱーい!!!!!」」」」














宿屋へ行けば、ロニの話の通りマリーさんがご馳走を用意してくれていた。




なんだかオレの合格祝いってだけでこんなにしてもらっても良いのかな、とか考えているとマリーさんに言われた。







「アドリビトムってのは仲間であり、家族でもあるのさ。家族のことを祝うのに大きいも小さいも無いんだよ」









なんて嬉しい言葉だろう。


生まれたばかりのオレにこんなに沢山家族が出来たなんて。






















「大変だ!!!」







半分ほど食事を食べ終えた時、クラースさんが飛び込んできた。


珍しく血相を変えて。










「今…シンクが戻ってきたんだが…重傷だ」






「「「「「!!!」」」」」







その場にいた全員が立ち上がった。











「兎に角、今は診療所にいる。詳しい話を聞き次第キミたちにも伝える。全員ここに居てくれ」





言い終わるとクラースさんは急いで宿屋を出て行った。














「シンク…ってオレがまだ会った事無い…」






「ここの一番実力株かな。戦闘能力ダントツだしね。だから今回もクエストも一人で大丈夫って言ってたんだけど…」

「あのシンクが重傷…?俺シンクの受けたクエスト見せてもらったけどそんなに難しいとは思わなかったぜ?」



「どんなクエストだったんだ?ロイド」
















「風花の神殿の調査」














ロイドの発言にロニ、ノーマ、マリーさんが固まった。




オレはわけが解らない。















「「それの何処が簡単じゃ――――!!!」」








「え?なんでだよ?ちょっと入って見て来るだけだろ?」

「ロイド…。未調査のダンジョンがそんな簡単にいく訳がないだろう…。どんな仕掛けやモンスターがいるかも判らないのに」






マリーさんも呆れているな。









「こうしちゃいられねえ!シンクに何があったのか聞かねえとな」


「でもあのプライドの高いシンシンが話してくれるかねえ〜」


「確かに。ロイド、。お前たちが一番年が近いだろう。それとなく聞いてきてみてくれ」













「了解、マリーさん」
「おう!任せとけ!」
「ミュウも行くですの!」






オレとミュウ・ロイドは診療所へ向かった。