「初めまして、私はティアよ。あっちの少し離れた所にいるのがリオン。それから…」
「オレは、。よろしく、リアラ」

「よろしくね。・ティア・リオン」



ミントから紹介された少女、リアラ。
何故彼女を連れて行かなければならないのかしら?




















は何処の町の人?」
「オレはイクセンから来たんだ」
「いいなあ。私あまり外へ出たことが無いの」



彼女もアドリビトムのはずよね…?
それならあまりクエスト経験が無いのかもしれないわ。
戦闘は大丈夫かしら…。




「!!二人共、後ろにさがって!!敵だ!」


そうこう言ってる内に戦闘が始まってしまった。
取り合えず…様子見ね。







「リオン、こっちは任せて」
「フン、足を引っ張るなよ」







なんだかんだ言ってリオンはのことを少しは認めているのかしら。
相性も悪いとは思えないし、動きも合ってるわ。
リオンは結構独断行動が多いけれど、はそれに合わせてくれるから上手く行くのね。




「キャアアア!!」



しまった!リアラの方へ敵が…!!間に合うか…!!







「裂空斬!!!」




寸での所でがリアラの所へ飛び込んだ。


「大丈夫か?リアラ」
「ええ、ありがとう!私も頑張る!!」


詠唱を始めようと、彼女は杖に気を集中させる。



「…切り裂け!!
エアスラスト!!


風の刃が一瞬で魔物を切り刻む。
風が止んだ時、立っている魔物は一匹もいなかった。


「えへへ、勝利勝利♪」


…どうやら心配する必要はなかったみたいね。
それにしても……





あのピンクのワンピース…ふわふわしてて……
可愛いvv





















「おい、右腕のそれは何だ?」
「ん?あ、血出てる。ま、舐めとけば治るよ」


え?、負傷していたの?
飛び込んだ時かしら。



「駄目よ、雑菌が入ったら化膿してしまうわ。今…」
ヒール!!



リアラの声と共に、の腕に治癒術がかかる。








……さっきのタイミングは何かしら…?



気にしすぎ……よね?









「ありがとリアラ」
「ううん、私も助けてもらったもの!」




「ティア!」
「へ?」


嫌だわ、ボーっとしてるなんて。
軍人として冷静に行動するよう、いつも言われていたのに……。




「ティアも、ありがと!!」
「…私…も?」
「心配してくれたじゃん」



…本当に、この子は人の感情が解るのね。
今の一言で、私の暗い部分が吹き飛ばされたみたい。




「当然のことよ」





















遺跡までは何の問題無しに着けた。
途中で何度か戦闘があったけどそれは全て問題なく終えた。




「…ここが…」

目の前に聳え立つ花柳の神殿は結構廃れている。
けれど一歩足を踏み入れると外見とは裏腹に中はまだ真新しい感じがした。



「なんか不自然ね…。まるで別の世界みたい」
「確かに…」
「風花の神殿と全く違うや…。あそこはもっとボロボロで…なのに仕掛けが…!!」
「危ない!!」




ガコンと音を立てて崩れた床。
それも私達が歩いた入り口前だけ。




「…明らかに罠だな。自然に崩れたにしては綺麗過ぎる」


リオンの言うとおり、まるで切り取られたように入り口の前の床だけが落ちた。
しかも飛び越えられるかどうかギリギリの距離ピッタリに。



「仕掛けがあると言うのはどこの神殿でも同じらしいな。おい、風花の神殿もこうだったか?」
「ああ…オレと同じ部屋にいた三人の所だけ狙って床が抜けたり…」

「誰かに見張られているのかしら…。、私怖い…」





この神殿に入ってから、気がついたのだけれど…リアラがずっとの隣にいる。
前線のとリオンが隣に並んでいるのなら解るけど…。


「リアラ、前に出すぎると危険よ。少し下がった方がいいわ」
「大丈夫よ。何があってもが守ってくれるもの。ねー?」







リアラってもしかして…のことが好きなのかしら?
でも、今日会ったばかりだし…考えすぎかしら。








「守るよ、二人共。オレだけなら兎も角リオンもいるんだし。ねーリオン」
「…無駄口を叩いてないで先へ進むぞ」
「だって、ほら行こう二人共」





でもはそんな感情に気づくような子じゃないわね…。
天然でフェミニストだもの…(溜息)









「落ちた、ってことは地下があるってことか」
「でも上に続く階段もあるわ。二人は何処にいるのかしら」
「いっそ二手に分かれる?」





それについて異論は無かった。
ここの魔物はそれ程強くないし、四人のうち二人は軍人がいるし回復役も二人いる。










ということは組み合わせもこうなるわけで―――…

















「じゃあオレ達は下に行くな」
「僕達は上だ。行くぞ」

「それじゃあリオン、リアラをよろしくね」
、ティア気をつけてね」






・ティア組

リオン・リアラ組





「何もなかったらすぐもう片方の組に合流すること」
「二人を見つけたら何か目印を残しておく事。出口を捜さなければいけないからな」

「じゃあ一階の此処に何か目印付けておこうぜ!絶対通るしさ」
「それじゃあコレットとフィリアさんを捜しに行きましょう」














また再会することを約束し――


反対の道へ歩き出す。